Special Long Interview

◆ストレンジ・ボトム・スタイル
「アコースティックなライヴ」のつもりだったんだよね。

……2005年のバンド形式の初ソロライヴの反省点を踏まえて、歌詞を届ける為には、この形(バンド)のままでは無理だな、ということで考えられた次の形、というのが、ギターとドラム、二人編成ということだったんでしょうか?

上田:そう。ギターとドラム、というよりも、ギターとパーカションだったんだ、発想は。ギターとパーカッション(ドラムセットみたいなパーカッション)のつもりでいたんだ、バスドラの無い。パーカッションにすると小さくなるので、運びやすいし全国をツアーで回るのに持って行きやすい、という発想でパーカッションドラムにしたんだ。だけど、ギターは和音だったり、メロディーとコードを両立して弾けたりもするけど、ベース(音)までは当然手が回らない訳なので、ベースの代わりになるものが要るな、と思って考えたのが、トリガーを使ったキック(アタック音を電子音に換える)だった。セットの上の部分はパーカッションだけど、キックだけは機械箱の音を使う。そうすることによってベース音が無い部分を、何とか少しでもカバーしようとした。

……それが、ストレンジ・ボトム・スタイルと呼んでいたスタイルですね。

上田:そう。

……ストレンジ・ボトム・スタイルについて、もう少し教えていただけますか。その発想があったけど、世の中にはそういう楽器はなかったと思いますが、それは上田さんが考案されたんですか?

上田:僕がメーカーや楽器屋の人達に相談して作ってもらったんだけど、意外な程ほぼイメージ通りのものが出来あがってしまった。ただ三つのメーカーのものを使ったんだ。YAMAHAとPearlとTAMA。それぞれのメーカーのいいとこ取りだったんだけど、音のマッチングが不思議によかった。一つのメーカーだけで作ろうとすると、何らかのドラムセットになってしまってイメージしたパーカッションの形にならない。結局大きくなってしまうんだよね。で、それぞれのメーカーが出している小振りなものばかりを使うことで、コンパクトに持ち運べるもの、ということで考えた。だから最初は自分の中では「アコースティックなライヴ」のつもりだったんだよね。

……だから2006年ライヴツアーのサブタイトルが「アコースティック編」ということだったんですね?

上田:そうそう。

⇒つづく


2014.09.04up
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