Martintonの日々

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初めての ー2

☆☆☆とは言えすべてが未知の領域なんの秘策もなく、相談する相手など勿論なく、暗中模索の内にその1日が始まりました。

先ず決行場所は彼女の家から近い博多埠頭と密かに定め、その付近の浜口公園でのデートの約束を電話で交わし、顔を洗い歯を磨き髪を整え、しかし不揃いの気持ちのままに夕暮れ前に出掛けました。少し高目な自分のテンションがこぼれ出ないように注意を払い、公園から埠頭まではいつもの感じで楽しい時間が流れて散歩デートが出来ました。

が、いざ肝心の海辺に座り、それとはなしに向き合うと、何だか話の調子がおかしくなって来ました!普段あれほどの相性が形を潜めてしまったのです。何か下心を見透かされているようで言葉も続かなくて頭が真っ白に。意を決して彼女の肩に手を回してはみたものの、その先は見知らぬ宇宙に放り込まれたようで、僕の上半身は自由を奪われ固まってしまいました。
そして途切れ途切れに中身の無い一方的な話だけが波間にゆれるだけ…。

再度[渇!]を心に彼女の肩を抱き寄せたところで、港に入って来た漁船が「ポン!ポン!ポン!」とけたたましい音を立て、岸に向かってはサーチライト点灯 ★!
僕ら二人が寄り添っていた場所をステージのように照らしてしまったのです!
仕方なく僕の手は彼女の肩から離れ、何だか二人、その場を後にせざるを得なくなりました…。

そんな状態で別れる訳にもいかず、しばらく無言の歩きで櫛田神社近くの冷泉公園へ。4人掛けのブランコの片方に二人肩を寄せて座りました。しかし先程の気まずい空気を払拭出来ず、寒さを頼りにせいぜい肩を抱くだけ…★
そして長くも短い、意気地ない情けない時が流れ、やがて寂しくもの悲しい夜明けが、別れを連れ訪れてしまいました……。とさッ!

その後、逢えなくなりました。彼女とは一度も★

まさとし17才の秋半ば。失恋…☆


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2008.11.29

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