Martintonの日々

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森永キャンデーストアー

ドアを開けると芳しく優しさに満ちた洋食の香り漂うハイカラなレストランが、遠い昔、郷里博多は東中洲の那珂川の袂にありました。

母に連れられ兄弟で見た二本立て映画の数々、ゴジラシリーズ・社長シリーズ・クレイジーキャッツシリーズ・東映アニメ・時代劇・そして若大将シリーズ 、見終わった後その余韻を倍加してくれるもう一つの楽しみが、森永キャンデーストアーでの食事でした。

淡いブルーの制服に真っ白なエプロンのウェートレスのお姉さんが運んでくれる、ポタージュスープとポークカツレツと真っ白い皿に盛られた光沢美しいライス☆鼻孔奥の空間に記憶された味と香りを忘れられません♪
「うまかね〜!かあちゃん!うまか〜!」
「また映画の後 来たか〜!」

生まれ持った、太陽光と相性の悪いひ弱な眼力に縛られた慢性運動欠乏児童故、食べる事に控え目な虚弱な身体を宿し、三度の食事を義務のようにこなしていた子供★そんな私でも身体を稼動させたい欲求は強く、子供人気抜群の優しく面倒見良い近所のお兄さんの助けを借りアブラムシ的存在で(アブラムシ!遊びにオマケで加えてもらっているだけで実際にはゲームには参加出来ない存在)何とか遊び仲間の片隅に置いてもらってはいました!しかし活発こそが男の子の証のような自由な外遊びは望むべくも無く。挙げ句 物への激突や自転車や馬車にはよくひかれたものでした!バスのタイヤにも一度(笑)

母はそんな息子の先を案じて、食事を少々無理に口に運ばせていた日常から、解放させてあげれる特別な日を設けてくれていた気がします☆
普段と異なる食欲に、顔をほころばせていた母親と、屈託無くいつも明るく賑やかな兄との、ちょっぴり贅沢で平和なひとときが記憶の中空に漂っています。
懐かしの路面電車道を挟んで斜め右二階には、お洒落なフジヤレストランが異彩を放っていましたが、何故だかキャンデーストアーのドアを三人は好みました。とさ!

本日この記憶のパイプなお昼だった訳です♪


0128

2009.01.28

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