Martintonの日々

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オレの声じゃなか!

大の大人の男がてこずる重さの、四角い大きなつづらのような機械の箱を、おっかなびっくりリーチ君(父)が紐解きました。
初期の音声記録機(テープレコーダー)が我が家に来たのは曾祖父曾祖母がまだ存命のころ、初めて録音された肉声は、不思議の箱に問いかけるひいばあちゃんの声を耳にした記憶があります。
びっしり巻かれた大きなリールのテープの端をもう片方の空のリールに巻き付ける操作が、何故かとてもSF的で、偉そうに取り扱うリーチ君が素敵でした。
子供が触る事が許されなかったつづらの思い出は、そこで途切れています。

年月が経ち僕らの手元にも、使用出来る小型のリール式テープレコーダーの時代が到来しました。
片手で持てるつづらの何十分の一のコンパクトサイズ。リールからリールの方式は、古式馴染みからすぐに手慣れ、楽しめました。
そして、誰もが最初に経験する、好きなように肉付けしていた、己の声とのギャップを埋める時間が流れ、録音された自分の声と、今まで聞いていた体内に響く 音声が、歩み寄り、次第に慣れ融合して行きました。
そして、そのギャップとそれを埋める新鮮なる醍醐味を、誰かに早く伝えたくて、コンパクトレコーダーに多大な興味を示してくれた、友人を部屋に招き入れました。
彼は花ぞの保育園からの付き合いで、実は今も、果てることのない友達関係は繋がっています。

コンパクトレコーダーの先駆者(私)が御託を一通り並べ終わるのを待ちきれず、魔法の領域のプラスチックの箱から軟弱に伸びる、白いビニールの先に付いた四角いマイクを手に取ると、断然と自分の声の収録を要求して来ました。
彼は有らぬ事か、話し声ではなく、なんと無謀にもガナリな声で名曲[Yesterday]を歌い始めたのです。
私一人、我慢の彼爆熱唱の時が過ぎて、再生のひとときの友人の名言を、昨日のことのように取り出せます。
「なんやコレ〜!オレの声やなか!この機械こっぱげとう(壊れてる)ちゃなかとや〜!」
………。

そんな魔法の世界の小箱で本日の系図狩のリハーサルを収めてみました♪
ビリージョエルやビートルズ、ストーンズやその他のアーティストの名曲の数々を大胆?にも♪

明後日へのカウントダウンがかなりに楽しみな、三人の集いとなりました ☆
ーとさー☆


0821

2009.08.21

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