Martintonの日々

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火鉢の傍のきな粉餅♪

釣り好き、温泉好き、そして 多く残る博多どんたくや山笠でのにこやかな写真の表情に、祭り好きがうかがえる勝治じいちゃん(祖父)♪彼との思い出のソウルフード(おっ今風♪)はきな粉餅です。

若い頃は鳴り響いてた働き者だったらしく、六本松のじいちゃん(弟)の証言を借りれば、厳しく妥協のない仕事人だったとの事。
しかし僕の知る限りのじいちゃんは現役を退いていたからかも知れませんが、お洒落で温厚で、軽妙寄りの喋りで周りを何時も明るく楽しくしてくれる笑顔の似合う、背筋がしゃんと伸びてた人でした。

まず一番に思い浮かぶ姿は、金縁メガネをスマートに演出する中折れ帽を目深に被り、三つ揃いを様子良く着こなし、上着のどこからか連なる鎖の先の内ポケットには、いつも懐中時計を納め、ファッションアイテムのようにステッキを突く、ハイカラ度満点のイメージが残っています。

蒲鉾店の実権を父に譲ってからは趣味の釣具店を経営し、年に二回は温泉地での湯治目的の長逗留を恒例にしていました。
僕ら兄弟を夏場の別府かんなわ温泉にはよく連れて行ってくれました。
いつ訪れても、探検エリアっぽいトンネルの途中風呂(今は無くなっています)の不思議が好きでした♪そんな[ひょうたん温泉]も今日ではミシュランの三ツ星に選ばれ、風情ある器の中、多種多彩なお風呂が詰まっている処です。

そして別府に行きだした頃、何度も行った[地獄巡り]
間欠泉の竜巻地獄・大きな土泡の坊主地獄・青い海地獄・赤い血の池地獄・大きな老ワニがいるだけのワニ地獄等、今も鮮明です。
それにトキメキの急勾配のケーブルカーで行く ‘楽天地’の大好きだったアヒルの競争はなんと未だ健在!近頃復活を果たした遊園地なのです。
そして行く度に読めない猿の動きに緊張と恐怖を強いられた‘高崎山’。猿の放し飼いの山、等は湯治場で僕らを飽きさせない為の勝治じいちゃんの定番スポットでした。

そんなじいちゃんが冬の寒い日、僕ら兄弟に教えてくれた食楽のひとつが焼き餅。
火鉢にアミを置き餅を乗せ、鉄箸で何度かひっくり返して、餅風船が膨れ裏に焦げ目クッキリ付いたあたりで焼き上がりでした。
それをアツアツのままちぎって、フーフーしながら砂糖醤油で食べるパターンや、揚げ餅砂糖醤油も好きでしたが、焼き上がった餅を丼のお湯に潜らせて、しばしきな粉の深皿砂漠へ転がしての、きな粉餅が一番でした♪
きな粉と絡む時に放たれる芳しい香りがとても待ち遠しさを煽り立てる、遥か彼方、遠い昔の寒い部屋での火鉢の前が浮かびます☆

きな粉デフォルメなロゴを目にして、気分買いで仕舞っておいた事をふいに思い出し、懐かしの味を再現してみました☆但し砂糖を使わずオリゴ糖ではありますが。
「まさとし〜!うまかぞ〜!」
じいちゃんの声が蘇ります☆


0329

2010.03.29

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