冥利
二階のトイレを出ると、向かいの女子トイレから出てきた、金髪の若い女性と目が合いました。突然、彼女は驚いたように僕に近づき、満面の笑顔で少し興奮気味に早口の英語でしゃべりかけて来ました。 ちゃんと聞き取れた訳ではありませんが、理解に及んだ部分をつなぎ合わせると何となく、笑顔の意味に察しが付きました。 マァーかなりに都合良く♪此方の好き勝手に解釈すれば♪ 『さっきあなたが歌ったロックンロールは最高よ〜! そしてドラムもとても素敵で興奮しちゃいました!』 みたいな♪感じと捉えて、此方も笑顔でサンキュー!と返しました。 が、心中かなりの有頂天に染まった幼き自分を思い出すと、ちと染まります。恥ずかしさにも♪ が似たような経験で、やはり外人女性にハグされた時も、そんな習慣を持たない為、かなり驚かされもしました♪ これはその昔、あの六本木キャバンクラブ全盛の頃。1日六回ステージをこなすバンドの手伝いを、月に数回していた時期の、話です。 Beatlesをやりたいが為に、仲間を通じて、強引に出演させて頂いてたので、ステージ上でのメンバー紹介以外、僕の名前や経歴告知は、店の内や外の貼り紙系?にもいっさい無く。 が故に何かに縛られる事無く、気軽真剣真面目に取り組んでいました。 その日リクエストに応えて、メニューがステージ直前に決まるシステムのバンドだったので、叩いた事の無い曲も含め、『その曲は無理!』を出さない為、毎回かなり量の予習が必要でした。 でもそれが、その後のいろんなユニットや仕事に生かされ、大切な財産ともなって行った訳です。 ステージ最初のMCで紹介された僕を、喜んで受け入れてくれるお客さんもいましたが、紹介終わると逆に、少しアウェイな空気(お前!なんぼのもんじゃい!)にさらされる事の方がノーマルでした。 しかし殆どその後。演奏と歌で、自然にホームな方へと、空気は入れ替わって行ってくれました。伝統のキャバンクラブの神通力と、そしてバンド力に助けられ♪ ほかの外人(西洋)客の事も思い出されます。 ジョン・レノンを歌い出すドラマーに、最初胡散臭げな目つきで見ていた最前列テンガロンハット二人組★ しかし、ステージを降りる頃には進んで、握手を僕に求めて来てくれ、グッと来た事もありました。 また、深夜のステージになだれ込んで来た、二三十人程の外人客。 既ににアルコール天国だったのて、手を焼きました。 酔いが回っている集団に、まともに聞く耳等なく、ステージに全然集中してくれないので。 超有名バラード&ロックンロールで圧倒しつづけ、遂に☆ ステージ終わり彼ら全員にスタンディングで迎え入れられ、彼らの中心で笑顔に包まれた事もありました☆ そんなとき、今まで自分がコツコツとやって来た事が、報われた様な、大きくは外れていない事等を教えてもらえたし、漠然とした自信を持ち帰れました。独り、ユニットに入っても存在して行ける実感を☆ 演奏する者が誰彼等関係無く。歌や演奏に満足すれば、気持ち良く盛り上がってもらえる姿は、格別のミュージシャン冥利な訳です☆ 僕が、あえて告知無しでライヴをやるのは昔と違い、失礼となる世の中となりました。 が、出来れば、僕の経歴を一切知らない人前で試したい! フラットやクールな視線にさらされたい願望は、今も持ち続けています。 過去何回、飛び入りゲスト参加(リードヴォーカル率高いフロントは、殆ど歌わないドラマーの位置に比べると、格段に歌い易いのです☆モニター精度が高くて)ハンドマイクをやった事か♪ モチ望まれた時のみダス♪ よって、他の出演者の人気で既に、ライヴの予約が埋まっている場合、あえて僕の名前を、此方側で告知しない事も度々です。 勿論主催者側との話し合いで、決めてますよ。 しかし深夜のキャバンクラブ、五・六回目のステージ時間に、早めのロックンロールのリクエストが入ると大変でした。 身体が寝に入る頃で、速いテンポに心身付いて行けず、無理やり起こされた身体からの拒絶にも合い、とてもきつかった夜の数々も楽しく思い出されます☆ おしまい ![]() 29/Oct.2012 [Mon] 23:35
コメント
上田さんの今日のブログ・・・
さっきから何回も読んでます。 前半で笑い(だって上田さんと外国人女性とのやりとり想像するだけで笑えるし、アウェイな空気を「なんぼのもんじゃい!」って・・(≧∇≦)ノ彡 バンバン!)後半で何度もうなずき・・・ 上田さん、わかってるので大丈夫ダスよ♪:*( ̄∀ ̄)*:
チューリップのステージでは最初から客席があたたまってる。それはそれで居心地がいいだろうけど 自ら氷を溶かす作業から始めるライブ。上田さんはどちらも味わえて いいですね。自ら厳しい場所に身をおいて来たから 今の素敵な上田さんがある。…私達、日本人も 他人の価値観に惑わされる事無く 自分の目で 耳で 身体で しっかり 良いものを 感じ取って いきたいものです。
冥利ですねー。。
勿論我らがTULIP上田さんなのですが、一切を明かさず ビートルマニア いち ミュージシャン にて挑まれるお姿こそが 上田さんなんだなーなんて。。 で、このドラマーは凄い!って当然思われる訳で。。 酔っ払いの酔を覚ます程のステージ力 見る者が、感動と共に 大丈夫かいな!そんなに叩いて って 思わす程のドラミング。。 これからも期待しておりまするー。。
決してキャリアに溺れることなく常に超前向きなところがモーたまらなく素敵過ぎてモーたまらなく大好きです!いつも皆んなを包むアノ笑顔はそこからこぼれるんですねぇ☆
時々有名なシンガーの中で飛び込みで入られるそうですが、今はチューリップ40周年のツアーの真っ最中なのにそんなに体力が余っているなんて凄いですね。
名前をかたらずに外国の方に褒められるなんてさすが上田さん・・・・それにしてもチューリップの上田さんと言ったら日本では知らない人なんていないくらいなのに、不思議です。 コメントする
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うえださんの演奏と歌声には国境がないですねo(^o^)o