Martintonの日々

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再びテツ話しー2です

僕の生家の年中行事にキャンプが加わったのは遥かな少年時代、テツ(愛犬です)が青年期、を迎えた頃でした。
夏場のかまぼこ屋さんは忙しさから遠ざかります。それなりに気だるい時期のオアシス的なイベントだったのでしょう。仕事を早めに切り上げて全員で賑やかに支度にとりかかりました。アウトドア男料理定番?のカレーの具材やその他食材や飯盒、テントを含むキャンプ用具一式を車に積む職人さん達の和やかな表情が僕のワクワク度数を高めて行きました。
そして最後に残しておいた少しだけ面倒な課題(何かと臆病なテツを如何にしてライトバンの荷台に乗せるか)に大人達が腰を上げます。既に彼が二本足立ちすると(チンチンと言ってましたね〜その仕草を何故か)ボクの身長(当時150位)を大きく上回る程に成長していました。荷台の前まで連れて行くと前足を硬直させたように突っ張っての必死執拗の抵抗です。もしかすると何度か『犬捕り』のトラックで連れ去られた記憶がトラウマとなっていたのかもしれません。

当時市が狂犬病対策を柱に野犬狩りを行っていて通称『イヌトリ』と呼ばれ、何故か住民に恐れられる存在でした。おそらく野犬ではない印の首輪を付けていても、鎖に繋がれず町を徘徊している犬は構わず捕まえてしまう、少々強引な手法の為だったのでしょう。保健所に運ばれ、その後一定の期間を過ぎても飼い主が引き取りに現れない犬は悲しくも駆除されていたのです…★たくさんの野犬がひしめく大きな金網の中で、迎えに来た僕を見つけて勢い喜び吠えまくる彼の姿が哀れで愛おしかった記憶が蘇ります……。
「馬ッ鹿だね〜テツは!楽しい所に連れて行くのに〜」と声を掛けつつ大人三人がかり、車内からは首輪に付けた鎖で引き上げ、後ろからはお尻を押し上げてなんとか荷台に納めました♪出発時、クルマ後部座席後ろに繋がれ、時折舌で体温調節をしつつ、実に切なそうな彼の表情が、みんなの笑いを集めていました♪

初キャンプの場所は勝馬(金印で知られる志賀島内の浜辺)でした。
いの一番にテツを解き放し♪真っ白い砂浜にテントを張り、風を考慮して深めに掘った穴の周り三方を石を重ねて囲い、炊事用の浜かまど作り。またリーチ君(父)の発案で渚近く、潮の満ち引きに影響のない砂浜の四隅を長方形に溝を掘り、その上に板を敷いての“夕陽の砂浜のテーブル”が素敵でした☆
その間テツは僕等と波打ち際を何度も走って行き来し腹の底から歓喜のワンワンを連発!分かり易い程にはしゃいでいました。夕暮れの海では未熟?な犬かきを初披露してくれた彼♪同じ目線で波を挟んでの見つめ合い…!懸命な泳ぎに左右に揺れる顔の愛らしかったコト☆
遊び疲れて早めの眠りについてたテツ。寝顔を覗こうと近寄る僕の気配に、目を開け立ち上がり、尾っぽをゆっくり揺らしてくれました‥♪
朝は早くからテント越しに元気に駆け回る四つ足の音!♪
よほど楽しかったのでしょう!翌年に異変?が起きたのです!
やはり夏の程良い時期に職人さん達とキャンプの準備に取りかかり始めると、まだ誘われてもいない内から飛び乗っていたのです!!ライトバンの荷台にテツが…♪♪♪
ひとつ年を取ってひとつ利口になった彼☆文字通り前向きな姿勢で車窓から顔を突き出し鼻柱で風を切る、まばたき多き眼差しが今も目に浮かびます☆

 写真は前回の話の中で登場した、テツが必死に噛んでいた木戸があった辺りです♪


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2008.06.08

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