あの静かな正月☆
子供の頃の大晦日の空気が大好きでした。
最後のお客さんを見送り、手が空いた順に運ソバ(年越しそば)を頂く店の人達の顔に、祖父母や両親に、穏やかさが戻り、生家が年の瀬の烈しい忙しさから解き放たれる時を迎えれるからでした。
その年に起こったいろんな嫌な物事が解毒され、全ての事が至福へと向かう、そんな雰囲気をも感じたものです。
床に着く時の、なんとも形容し難い、正月を迎え入れる喜び棚引く亜空間に、吸い込まれるような安堵感を思い出します。
そうして迎えた元旦は、昨今の状況と違い、神社周り以外開けてる店は無く、静寂そのものの世界。
車や馬車♪も通らない、年末あれほど賑わった数十軒の商店街や横丁が嘘のように静まり返り、三が日は ただお年玉景気の子供達がハシャぐ声だけが町にこだましていました☆
時が少しずつ移り、正月三日の初売りを世間が選択し始め、それが後に二日へ侵食。
遂には元旦から初売りを行う商店街が、正月のイメージを変えて行きました。
幼き心は、三が日最後の日の夕闇が迫ると、世の中が動き出す明日へのカウントダウンが始まる寂しさを抱え、過ぎ去ろうとする夢の正月のページへ、もう一度連れ戻されたい気持ちが幾度も、寄せては返していました。
怒涛の歳月・暦越えを果たした今、正月の風情など全く意に返さない、新宿の爆裂人混みな初売りゾーンへも、歩を進めれる程にめでたくも逞しく♪成長してしまいました★
ーとさー
2011.01.02