我が町も昔は商店街 ー3
さて、再び表通りにもどりましょう。
西門橋とは反対側の坂途中には間口が少し狭目で縦長の本屋さんがあり、毎週兄と僕のところに少年マガジン・サンデーを、母のもとへは週刊誌や小説雑誌を届けてくれていました。
17才を迎えた時、その雑誌のタイトルに何だか大人に近づいた高鳴りを覚え、浅はかにも少女雑誌とは気付かず[セブンティーン]を手に取ってカウンターへ行ってしまったのです。その時の、少し困惑ぎみなおじさんの表情から勘違いを悟りましたが、後には引けず、火照った顔で支払いを済ませて逃げ帰った情けない記憶の鮮明なこと♪★本屋さんにはしばらくの間入れませんでしたっけ〜。
この町の一角を占め、親類同士が同じ名前から始まる専門店を幾つか経営されていました。先ずは先ほどの本屋さん。そして次は眼鏡屋さんです。本店をこの町に残し、天神進出に成功して福岡で一番の眼鏡店になりました。勿論健在です!
そして電気屋さん。同じくの天神進出でしたが、大きなレコード店に見事転身!驚かされました。デビュー後の帰郷の折に何度か天神のお店を訪ねて行きました。するとその度毎に、必ずおじさんが(社長さんです)近くの喫茶店でお茶を僕にご馳走してくれて、その間中 店では、その時々のチューリップの新譜を、ボリュームを上げてかけてくれていました。(今年の山笠の時にふらり洋画のDVDをこの店にて衝動購入しました。)
他には家具屋さんもありました二軒程。それに学校の成績がいつも頗る良かった同級生が次男坊の文具店も同じ名前でした。(面白い事に、彼の甥っ子さんが僕の旧友[つのだ☆ひろ]氏の所へ弟子入りしていて、現在も現役のプロドラマーなのです♪)
そうそう!今年の博多祇園山笠に彼のお兄さんが勇気を持って初参加して貰えて、(子供の頃にも一度も参加されてない訳で、なかなか出来ない事なのです。)とても楽しく酒を酌み交わす事が出来ました☆
商店街中央に貫禄の歴史が刻まれた見事な佇まいの銭湯がありました♪
我が家に家風呂は勿論あったのですが、よく「風呂屋の風呂に行ってくるけん!」と言って祖父と連れ立ってました。湯船の中を懲りずに潜水泳ぎをして、祖父にその都度よく叱られたものです☆
つい2・3年前まで営業されていて道路拡張計画の為 立ち退かれたクスリ屋さん!祭りの時、栄養剤や二日酔いの薬の件で随分良くして頂きました。
僕がチューリップの初期に文字どうり全国を飛び回っていた頃、国内線の飛行機の中で突然スチュワーデスの綺麗なお姉さんに親しく話しかけられ、ドギマギした事がありました。そのお姉さん、実は母親が日頃から仲良くして頂いてた、野菜・果物や乾物をとても品良く陳列販売していた店のお嬢さんだったのです。幼い頃を知ってただけに、かなり嬉しビックリな出来事でした。
本屋の斜向かい洋酒のディスプレイが華やか豪華だった酒屋の(おっと!ここも同じ名前でした!)店先には、一時期、ブームだったプラモのレーシングカー用サーキットレーンがあり、子供達が学校帰りに集合して熱気に満ち溢れたのを思い出します。僕の愛車はポルシェカレラシックスだった?と記憶しています☆(上京するまでは確かに僕の部屋の棚の上に仕舞ってたはずですが、家を建て替える時に紛失してしまいました★★)
銭湯を正面に見て左側、店の前を通るとトンコツのいい香り??漂う♪何故だか兄が勝手にいい加減なテーマソングを作って口ずさんでいた博多ラーメンの美味しい店!お世話になりました☆
土曜日の夜[ローハイド]を見る前に、夜食用の出前を家族三人分(父リーチ君はいつも不参加)毎週頼んでいました♪ラーメンは母から分けてもらい、カタ焼きそば折角の具野菜を殆ど避けて、タレ付きカタ麺だけをかじっていた★偏食虚弱坊主な私♪母親が「本当にも〜!こげん美味しいとにネェ〜!」と後を片付けてくれてました。スミマセン★
その斜め右向かいの食堂の上が、紙芝居のおじさんの家で、雨の日などはその二階が紙芝居劇場となり、とっても不思議なワクワクの異空間を作り出していました。
☆☆☆
あの素敵だった商店街の時代☆
車は少なく馬車が当たり前だった頃♪子ども達は三輪車を持ち寄り、後輪二個の間のステップ?の所に前輪を横にコジ入れ、数珠繋ぎにしては西門橋を押して上がり、下りは全員が両足を真横に上げ、ムカデがぶれないよう斜めに挟まったハンドルをしっかと握り締めて、出来るだけ大声奇声を張り上げて一気に駆け下りたものでした。
時が移り今は百年振りに西門町中小路に山笠が入り、年に一度西門橋を駆け上がり駆け下りる奇跡の光景☆
今、あの頃の商店街の人達に胸を張って誇れるモノは、山笠だけとなってしまいました。
町中通りもんで溢れてた5月の博多どんたくや、買い物客で賑わう年の瀬は、それは華やかなものでした☆抽選用の屋台が登場して鐘を鳴らしこの商店街の大売り出しを盛大に盛り上げてくれていました。
今でも古いビデオのように記憶に収録された映像は時間と共に劣化しながらも再生を試みるとノイズたっぷりに蘇って来る訳です。あの商店街のざわめきが☆
かまぼこ屋さんのショーウインドー横、おじいちゃんと孫が(私)二人でこさえた、質素な電飾で飾られた小さなクリスマスツリーが まばたいて見えます☆
お〜っとまだ十月半ばですよね♪
本当に長々と失礼しました。
最後まで付き合って頂いてありがとうございました☆
2008.10.18