真昼の対決
いつの頃からか年末には欠かせない風物詩として格闘技の番組が大晦日に定着しましたね〜。ずっと昔から、格闘技ファンの僕としては嬉しい限り、今年も年の瀬が楽しみです。
しかし格闘技、観るとやるとでは大違い!少年時代、テレビの姿三四郎に憧れて、又従兄弟[以前のブログに登場した、まさのぶちゃん]の指導の元、柔道着に袖を通した経験はありますが、ただそれだけの事でした。
余談ですが、高校一年の頃一応柔道部に席を置いていた時期もあるので、形の上ではあの佐々木健介選手(奥さんは北斗晶さんです。)の妙なもので先輩と云う事にもなります。彼が若手の頃に高校の後輩と知り、身内的応援をして来たので、苦労の後の今日の活躍をとても嬉しくも思い、若い選手を育成する優れた指導力にも心打たれている次第です。面識はありませんが。
さてさて!さして喧嘩も強くなく、幼い頃から拙い眼力が故もたらされる事の多い局面を、殆ど気合いだけで切り抜けて来た私としては、とても珍しい、能動的な?小学校五年頃の話です。
なんと!何度か真昼の対決??へと臨んだ事があったのです。給食後の昼休み中庭を臨む校舎の外、春陽を受けて三角の影を造る、斜めに打たれた数本のコンクリート柱、その柱と柱の間あたりが二人のステージでした。
相手は寺中町(じちゅうまち)の内田君!クラス替えで出会った当初、何故だか分からず彼の存在が疎ましく、向こうも同じ思いだったのでしょう。教室で視線や言葉での鍔迫り合いを何度か起こし、その都度何故か昼休みでの決着を互い望んだのです。相手の華奢な身体と気持ちを値踏みして「コイツなら大丈夫勝てる」と踏んだのかも?しれません。二人共!
コンクリートの柱の向こうから彼が、こちらからは僕が、高ぶる濃い空気を纏っての登場です…。しかし二人が接近、互いを威嚇し合い、「キサン!」「なんか〜キサ〜ン!」と言葉少なに胸ぐらを掴み睨み合うところまでは様になりましたが、その先に進む事が何だか出来ません。お互い堪忍袋の尾をうまく切る事が出来なかったのです。勢いをつけるべき怒りの後押しなる素材にも乏しく(出会ったばかりなので!)そろそろ水入り?のタイミングで、昼休み終了のチャイムがゴングのようにラウンド終わりを告げてくれていました。
何となく二人の間にあるイケ好かない空気をぶち壊したい衝動だけでは当然無理がありました。懲りずにそんな事を二・三度繰り返し、結局拳を交える事は一度も無かった訳です。(こちらの本気が整う前の彼は、意外に手強そうにも思えたのです!お互い様?♪)
しかし対峙する度に彼のキャラクターを少しずつ飲み込み始め、いつの間にか導入部が歪ではありましたが、友達関係へと自然と移行して行きました。不思議にそれをフォローするかの如く母親同士も勝手に仲良くなり、我が家に明るく朗らかな風を運ぶ彼のおかあさんの存在が尚一層二人の関係を良くしてくれました。
中学の頃に僕の部屋に遊びに来た彼に、先に毒された僕がビートルズの[素敵]をレコードの合間に囁き、共に熱くなれる、当時としては得難い貴重なファン同士の間柄ともなりました。
先程話したように高校で僕は柔道、学校は違いますが彼は他の高校で空手を始めました。僕の柔道は箸にも棒にも的でしたが、彼は大学時代何〜と!空手で西日本のチャンピオンに輝いたのです☆☆☆小学校時代まだ空手は習っていなかったとは言え、格闘家としての資質は既に備わっていたはず!真剣に拳を交じえていたとしたら!と考えると充分笑えるクワバラな思い出なのです♪
2008.12.05