Martintonの日々

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かあちゃ〜んさぶか〜カイか〜!

気にしつつ、沸かさなくても大丈夫かなと思って入りましたがやはり駄目でした。
別に季節を選ばずとも、ヌル目のお風呂はどうも苦手です!身体がカユくなり蕁麻疹が咲いて行くみたいなのです。

子供の頃、幾度か兄弟で繰り返した思い出話をしてみます。
「かあちゃ〜ん!さぶか〜カイか〜!かあちゃ〜んお風呂つけて〜!」クリクリ頭の兄と僕の声が重なります。
昔、僕の生家のお風呂は家の一番奥隅の出っ張った所にありました。
中にはカゴがあるだけで脱衣所など無かったので、いつも兄弟で入ってた僕らは、下着以外を部屋で脱ぎ、寒い冬などは駆け足でした。
すきま風渦巻く二階を走り、木製の急な階段を下り、板張りから降りる時はツッカケを履いて、食堂横の細い廊下を通り、犬小屋を右に見て(その都度必ずテツ〔わん公〕は立ち上がって尻尾を振っていましたっけ〜☆)走り、お風呂の薄い木の扉を開けて突入です。
しかし風呂場は家の外の位置。遅い夜などは扉を閉めても少しも暖かい空気などなく、震えながら身体を洗い直ぐに湯船に飛び込んでいました!
お湯が少々ヌルかろうが後先考えずに兄と僕ははしゃぎ♪歌い♪いつも何かの話に夢中になってました。
がしばらくするとお湯が冷えて来て、それでも構わす湯遊びを繰り返していると、仕舞いには湯船から出れなくなる仕掛けでした。
お湯が二人に優しいうち、早いうちに我慢して風呂場の外に出て、マッチをすって火を点ければいいのですが(薄〜すら?新聞紙を燃やした火に薪や石炭をくべてた記憶もありますがすぐに重油に変わり、その都度種火を点けた後の点火でした。ボッ!と炸裂する音が耳に残っています。)面倒臭ささから、いつも必ず手遅れのパターンになっていました。

住み込みの職人さんも数人いたし、通いの人達も風呂には入って帰っていたので、食事も(グズグズして遅く行くと、おかずが無い事も多々ありました。)お風呂も各々の判断と決まっていました。
服を脱ぐ前に湯加減を見れば済む事なのですが、兄も僕も行き当たりばったりの性格♪
結局そんな時は決まって、かあちゃ〜んコールが始まるのです。
初めのうちの「かあちゃ〜ん」は元気な声ですが、母親がいつまでも上がってこない子供達を心配して様子を見に来る頃には、僕らは半ペソ状態♪
待ち望んだ母親の声が天使の響きをしていました。

「かあちゃ〜んさぶか〜!かあちゃ〜んカイか〜」
―おしまい―


0202

2010.02.02

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